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イーゴリ・マルケヴィッチ

その鋭い目がコワイ。
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昨日取り上げた、カイルベルトやカラヤンより3歳年下。
1983年に70歳で亡くなってるので、あと十数年でも頑張ってくれてたら、いい音での録音を残してくれてたのに、と勝手な事に思いを馳せる。

この集成は一番古い物で1938年で、その他のほとんどが1950年代のモノラル録音。かっこいい演奏が多いだけに音質面が惜しまれる。
最も新しいもので、1969年のパリ管と録れた「青少年の管弦楽入門」と「ピーターと狼」でピーター・ユスチノフのナレーション。栗原小巻さん(だったかな?)によるナレーションの日本語盤で昔よく聴いてたので、この演奏は馴染みがあるし同曲のベストの部類の入るのでは。

オケは常任指揮者を務めていた、フィルハーモニア管弦楽団、ラムルー管弦楽団、フランス国立放送管弦楽団、他。
自作の「イカロスの飛翔」と「新しい時代」が聴けるのは嬉しいが、録音が古く、演奏のベルギー国立管弦楽団も技量的にちょっと物足りない。
今でこそあまり取り上げられる事はないけど、先鋭的で刺激的な音楽なだけに、現代のスマートなメジャー・オケで聴いてみたい。

速めのテンポで一気に駆け抜ける演奏だからといって、決して薄味なわけではなく、その表情はどれもクッキリとして濃い。
例えて言うなら、新幹線の車窓から見える看板や標識の文字を全て瞬きもせず読むイメージ。でも案外と間違いもある…のような。

となるとやはり機能的なオケの方が出来栄え点は高く、フィルハーモニア管弦楽団との、
・ストラヴィンスキー/春の祭典(1959年録音)
・プロコフィエフ/古典交響曲
・ヴェルディ/序曲集
・ファリャ/三角帽子
など、やや粗削りながらも比較的完成度が高い。

フランス国立管弦楽団とのものは、どれも時代を感じさせるものの、非常に印象深い演奏がある。
・ショスタコーヴィチ/交響曲第1番
・プロコフィエフ/スキタイ組曲、3つのオレンジへの恋
・ボロディン/ダッタン人の踊り
・チャイコフスキー/交響曲第4番
つくづくもっと録音が良ければ、という類いのものが多数。

フィリップスやドイツ・グラモフォンには名盤を多く残していて(特に69年録音のコンセルトヘボウとのロシア音楽集は出色の出来栄え)、しかもそちらの方が比較的に録音状態もいいように思われる。今でもよく聴かれる名盤も多い。のはなぜ?

バレンボイムに指揮者として活動すべきだと、諭したと言われるマルケヴィッチ。
また他に生徒にサヴァリッシュやブロムシュテットなどがいて、教育者としても非常に優れていたそうです。

by romikorokumikuri | 2020-12-30 17:27 | 音楽