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ヨーゼフ・ラインベルガー

オルガンソナタ20曲をはじめとするオルガン作品全集。
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今日はドイツの作曲家でオルガン奏者、指揮者のヨーゼフ・ラインベルガー(1839〜1901)の亡くなった日。

室内楽作品や合唱曲でその名を聞く事はあるものの、その作品が取り上げられる事は少ない。

オペラや交響曲、レクイエム等の宗教作品など200曲近い作品を残していて、生前は絶大な人気を誇ったという。かのギルマンはラインベルガー作品がお気に入りで、演奏会のプログラムにしばしば取り上げていたそう。
またミュンヘン音楽院の教授もつとめ、音楽教師として非常に高名だった。その弟子には、フンパーディンク、ヴォルフ=フェラーリ、チャドウィック(!)の名がある。…アメリカ人のお弟子さんが40人以上もいたそう。
さらには、フルトヴェングラーの子供の頃の家庭教師もしていたらしい。

そのオルガン作品が、須賀しのぶの「革命前夜」という小説の中で通奏低音のように扱われていた事もあって、とても興味深く聴いた。
壁崩壊前の旧東ドイツ・ドレスデンにピアノ留学中の主人公が、ある時教会で聴いたオルガンの調べに心を打たれ…そしてそのオルガン弾きは金髪美女…
これだけでどんな音楽か聴きたくなる。

ドイツの作曲家らしく構成がしっかりしていて、どの曲も聴きやすく佳作ぞろい。
1998年から2005年までかけて録音されたこの全集は、おそらく現在唯一のもの。オルガン作品研究家のルドルフ・インニッヒの弾き分ける四種のオルガンは、どれも渋みのある重厚な響きで音楽の構造を余す所なく伝える。
教会のホールトーンも心地良く含まれる良好な録音。
ソナタ以外の小品ではどれもキャラクターがはっきりしていて面白いが、各ソナタの終楽章に含まれるフーガは聴きどころ。
一度は教会の生オルガンで聴いてみたい!




by romikorokumikuri | 2020-11-25 22:00 | 音楽