クリスティ壮年期47歳、1937年の作品。
高校生の頃に読みかけたままになってて、去年の9月に新訳が出たのでこれを機に。
ミステリはそこそこ読んでる方だけど、アガサ・クリスティ作品を読むのは実はまだ四作目。
読んだのは、有名な「オリエント急行の殺人」「そして誰もいなくなった」と「検察側の証人」のみ。
あ、ミステリじゃないけど「春にして君を離れ」も読んだか。なので五作目。
しかもどれも映像化されたものを先に観てるので、それが原作をあまり読んでこなかった原因となってるような気がする。
ちょっと古いけど、「オリエント」も「そして誰も」も面白かったもんね。映画。
「検察側」はアメリカで制作されたテレビドラマを観たけど、これもかなり楽しめた。
原作である小説の方はどうもなかなか入り込めない。翻訳文の問題なのか…、もしくは文章で読むより映像の方が登場人物の特徴が分かりやすいからかな…。毎回キャラ多いし、しかもそのほとんどが容疑者だし。
クリスティの文体は、わりとあっさり淡々としていて何となく感情移入しにくい感じ。(自分的には)
読み始めてからしばらくは、登場人物の名前と特徴を覚える事に集中する事になり、なかなかストーリーに入り込むのに少し時間がかかるんだよね。
今回の「ナイル」も出演キャラクターは大勢。名前と特徴を覚えづらい人が数人いて(特に男)、何度も登場人物表をめくりながら読んだ。
普段はどの本を読んでも、読み始めて少しするとそれぞれのキャラ像が自分の中で出来上がってくるんだけど…。
ストーリー展開としてはなかなか面白かったけど、何となく犯人はこの人しかいないだろうって感じは、割と早くから。
そこをどう解き明かすのかに面白さがあるんだけど、ポアロもなかなか明かしてくれずでこちらからせっつきたくなる。
名探偵もののパターンですな。
ABC、アクロイド、メソポタミア、ミス・マープルもの、まだまだ読むべき作品はいっぱいあるけど…
そうそう、ミス・マープルのシリーズも昔テレビでやってて、これもかなり楽しく観ていた。
やっぱり原作の本当の良さを、自分はまだまだ理解出来ていないのかもしれない。